アメジローのつれづれ(集成)

アメリカン・ショートヘアのアメジローです。

2021-06-04から1日間の記事一覧

特集ルブラン(4)「バーネット探偵社」

モーリス・ルブラン「バーネット探偵社」(1928年)は、「アルセーヌ・リュパン」シリーズの内の一冊で、本作は全八編の各編からなる短編集である。何よりも主人公の私立探偵のバーネットの正体がリュパンなのであり、「怪盗リュパン」こと「バーネット探偵…

特集ルブラン(3)「八点鐘」

モーリス・ルブランによる「アルセーヌ・リュパン」、本シリーズのだいたいの作品を読んだ上での私の感想の結論は、「ルブランのリュパンは長編がダメだ。話が無駄に長くて冗長で雑で、長編特有の伏線や展開の深まりなど不十分で、うまく作り込まれていない…

特集ルブラン(2)「リュパンの告白」

私が前からずっと気になっているのは、日本の探偵小説評論における「本格好みとフェアプレイびいき」だ。逆にいえば、いわゆる「奇妙な味」や本格推理以外の別の要素も加えた探偵小説に対する軽視、さらには推理ミステリー本編に幸運や偶然に頼った御都合主…

特集ルブラン(1)「怪盗紳士リュパン」

モーリス・ルブランの「アルセーヌ・リュパン」は長編と短編共に作品数も多く今でこそ人気のシリーズだが、リュパンのデビュー作、第一作目「アルセーヌ・リュパンの逮捕」発表前夜には、およそ以下のような事情があったといわれている。 ルブランが短編「ア…