アメジローのつれづれ(集成)

アメリカン・ショートヘアのアメジローです。

京都喫茶探訪(4)六曜社

「六曜社」は、三条河原町の少し下ったところにあって場所が便利なのでよく行っていた。買い物途中の休憩がてら、はたまた買い物帰りの一服に。まだ昔は三条河原町の朝日会館に私が大・大・大好きな「朝日シネマ」があって、六曜社は比較的夜遅くまで開いていたから朝日シネマでレイトショーを観た帰りに立ち寄っていた。ついで六曜社の裏手にある「メディアショップ」でも写真集を立ち読みしたりして。

ここは一階と地下で二つ店舗がある。私は一階のほうがどちらかといえば好きで、いつも一階の喫茶でコーヒーを飲むのだけれど、夏のどうしても暑い日の夕方にはガマンできずに地下へ行ってビールを飲んだりしていた。私は車で外出して運転するとき以外は基本、平日でも休日の真っ昼間でも、どこでもビール飲む。呑み屋はもちろんのこと、レストランや食堂の定食屋でも、そば屋でも、とりあえずビールを頼む。フェリーの売店でも新幹線の車内販売でもビールを購入する。車を運転するとき以外はビールは定番だ。

老舗(しにせ)の喫茶店ではアルコールのビールを置いているところはたまにあるが、「喫茶店だからコーヒーが自慢で売りなのに、あえてコーヒーではなくてビールを頼み、しかも本を読んだりしながらビールを飲んで店に長居をする」というのがこれがまた好きなのだ(笑)。店の人には大変に迷惑で、誠に申し訳ない客ではあるが。だから、京都の特に暑い夏の盛りは六曜社の一階のアイスコーヒーではなくて、地下に降りてビールを飲んでいた。また「イノダコーヒー」もメニューにビールがあって、祇園祭の前後、京都の街がコンチキ騒がしい頃イノダでもよくビール飲んでいた。

しかし喫茶の基本はコーヒーである。六曜社の一階では、だいたいコーヒーと「自家製ドーナツ」を頼んだ。地下から持ってきてくれる、この自家製ドーナツが本当に手作りで、上手く言えないが、生地が固くて普通にコンビニで流通販売している既成のドーナツとは違ってかなり美味い。自家製の手作りなため数が少なくて、しかも人気なためか「今日はありません」とウェイトレスに言われる。しかし、ひるまずすかさず「それならロールケーキで」と切り返す(笑)。

六曜社は人気店なため、週末の昼間など満席で入れなかったり、平日に行っても相席が多い。最初に入店して相席お願いされたり、逆に自分が後から入店して相席お願いしたりで。だいたい普通の店だと、全然知らない人とテーブルを共有して向かい合ったり、横に座ったりする相席は嫌なのだけれど、六曜社の場合はあまり気にならなかった。例外的に相席が許せた。

これも店の人柄の人徳というか、店は人間ではないので、正確には「店柄」の「店徳」(?)のようなものか。あのテーブル配置や椅子の座り心地や店全体の雰囲気から、相席でも別に相席ではなくても自然とくつろげて素敵なコーヒーの時間が過ごせてしまう。あと六曜社の一階は新聞の品揃えが充実していて、朝日から日経から産経まであって、しかも朝刊だけでなく夕刊も完備されていた。だから六曜社に行ったら、よく新聞を読んでたなぁ。