アメジローのつれづれ(集成)

アメリカン・ショートヘアのアメジローです。

京都喫茶探訪(6)スマート珈琲店

「スマート珈琲店」は寺町三条の商店街の中にあって二階の洋食レストランもよいけれど、まず行くべきは一階の喫茶だ。一階の入口レジ近くにデカいコーヒー豆焙煎機があったりして、老舗(しにせ)喫茶な雰囲気が抜群である。

京大北門前の「進々堂」に、いつも同じ並びの「吉岡書店」で古書購入した後に立ち寄るのと同様、スマート珈琲店も、だいたい買い物の前後の途中で休憩がてらに利用しコーヒーを飲んでいた。京都市役所裏に「三月書房」という好みの書店があった。そこへの行き帰りに必ず寺町商店街内のスマート珈琲店の前を通るわけで、「ここまで来てスマート珈琲店に入らないわけにはいかない…入らない理由は何もない…もう素通りなんてできない」で毎回入店である(笑)。

三月書房は、セレクト系で思想書関連が特に充実している新刊を扱う名物で有名な書店だ。ここの主人の書籍の選択がよい。私は店主とは知り合いではないし、一度も話したことがない、本当にタダの通りすがりの客でしかないが、「ここのお店の人は吉本隆明がきっと好きなのだろうな」と入店するたび、いつも思う。毎回、店に入って吉本関連の充実した品揃えの書棚を見るたびにそう思う。それで、私も吉本隆明は昔から好きだったから吉本の書籍は他の書店ではなく、あえて三月書房で狙って重ねて購入することが多かった。

さてスマート珈琲店では毎回、コーヒーとフレンチトーストを頼む。私はフレンチトーストが好きなのだ。昔から喫茶店に入ってメニューにあれば、とりあえず一度は必ず注文してみる。そして、だいたい上に砂糖をまぶしたフレンチトーストが多くの店で出てくる。私は、フレンチトーストには「砂糖まぶし」ではなくて、「上にバターをトロッとトーストみたいに乗せる」というのが好きなのに。しかし、これまでの人生、ことごとく喫茶店に行き倒し注文したら出てきたフレンチトーストは、ほとんどが「砂糖まぶし」だ。お気に入りの「イノダコーヒー」でさえも、フレンチトーストは「バター乗せ」ではなくて「砂糖まぶし」である。

家で自分でフレンチトーストを作るときは、必ず「砂糖まぶし」でなく「上にバターをトロッと乗せる」にする。別にフレンチトーストごとき細かなことなので、どうでもいいことなのかもしれないが(笑)。やはり街に出て喫茶店に入って美味しいコーヒーを添えてフレンチトースト食べるときには上には砂糖ではなくバターを乗せたい。たかがフレンチトースト、されどフレンチトーストだ。