アメジローのつれづれ(集成)

アメリカン・ショートヘアのアメジローです。

京都喫茶探訪(3)イノダコーヒー

京都というのは感じのよい老舗(しにせ)の喫茶が特に多い。「小川珈琲」や「珈琲屋あさぬま」や「からふね屋珈琲」など。そうした数ある老舗の中で、かつて京都に住んでいたとき個人的によく行っていたのは「イノダコーヒー」だ。

イノダといえば京都市内に複数店舗の支店があり、近年では東京にも進出し、また現在、私が住んでいる地元にも年一回の百貨店催事で巡回の「京都展」に必ず出店してくださるので、最近でも「アラビアの真珠」(イノダのコーヒー銘柄)を自宅でよく飲む。

イノダコーヒーといえば一般に真っ先に思いつくのが本店だ。観光で外から京都に入る人は主に本店に行くらしいが、本店は客が多くて並んだり待たされたりするから。また三条支店は、厨房が真ん中にある店員の作業が丸見えな例の有名な円卓カウンターがあるが、あれは普通にコーヒーを飲んでいてなぜか私は緊張してしまう。円卓中央でコーヒーを煎(い)れたり、サイドメニューのフードを調理している店員との人的距離が近すぎて。三条支店の厨房内の店員も360度周りの客から丸見えで常に見られている相当な視線のプレッシャーがあるはずで、非常に気の毒な思いが私はいつもしていた。何気に観察していると休憩に入る際には、ほとんどの店員が客から逃げるように、衆視の重圧から解放されるがごとく足早に奥の休憩室のドアに引っ込むような気がする(笑)。

私の最もお気に入りで頻繁に通っていた店舗は、JR京都駅の地下街にあるポルタ支店だった。ポルタ支店には「ヒレカツサンド・セット」と「スパゲティセット・ボルセナ」がある。ヒレカツサンドは結構な厚さのボリュームで美味いし、スパゲティは最近のイタリアンな細いパスタではなくて昔ながらの太い昭和のスパゲティで、他店であのような昭和なスパゲッティを出す所は滅多に見かけなくなったので今時、貴重というか。

イノダのポルタ支店へは、朝に行って「京都の朝食」のモーニングもよく頼んで昔はイノダで朝飯をとっていた。まず、オレンジジュースが出てきて、それから「進々堂」のクロワッサンにハムとか卵とか。コーヒーはもちろんのこと、特にハムが本格的な熟成の手作りで、かなり美味しい。京都に行った際には朝食はイノダコーヒがお勧めです。