アメジローのつれづれ(集成)

アメリカン・ショートヘアのアメジローです。

モッズな生活(5)モッズスーツのこと(その2)

「スーツは男の戦闘服」といったところで、前回に続き「モッズスーツのこと」など。

学生時代に「スカパラ」(東京スカパラダイスオーケストラ)の人たちのスーツ姿を見て、「やっぱ大人の男はスーツだな」と勝手に思って(笑)、なんやかんやで結構スーツにはこれまで散財した、貧しいにもかかわらず。ホント私なんか低所得の現代の日本社会における、いわば底辺の「労働者階級」だから。映画「さらば青春の光」で底辺労働者なモッズな若者、ジミーたちがブライトンに行って「ウィー・アー・ザ・モッズ!」と叫びながらデモ行進しているの見ると、とても他人事とは思えず自然と目頭が熱くなる。

さて今回は国内ブランドの「モッズスーツのこと」を。まずは「Zazous」(ザズー)。ここのブランドは割りかし有名で人気がある。海外バンドの「ストロークス」(Strokes)のメンバーも来日したら、まずはザズーに立ち寄ってジャケットなど大量の大人買いしていくらしい。あくまでも個人的感想だが、ザズーのスーツ・ジャケット類はシルエットがタイトで細過ぎる。ザズーのスクール・ジャケットはデザインがかなり良いが、私は「サイズ36」を普通に着れるけれど何か苦しく窮屈な着心地が。セットアップのスーツだと、そんなに窮屈ではないけれど。しかしザズーのスーツ1着は持っていたい。ついでザズーのスクール・ジャケットもやはり持っておきたい。使っている生地とデザインが抜群だから。

「Kinky・Clothes」(キンキー・クローズ)は昔からある日本のメーカーで、服に付いてる黄色の紙タグのイラストが「デコレーションしたスクーター」になっている。「ミッシェル・ガン・エレファント」(Thee・Michelle・Gun・Elephant)のチバさんが、以前キンキーの黒のストライプ・スーツを着ているのを見たことがある。ここのスーツは基本くるみボタンで生地も良い。それで意外と細身なので、私はLサイズでも違和感なく着れるし、もちろんサイズMでも大丈夫。キンキーは「一度生産をやめて廃業寸前になって、後に他の会社が引き継いでブランド復活」のようなことだったと思う。キンキー・クローズのスーツは品質も良いしカッコいいので、ズバリ「買い」でしょう。ネット通販を主にやっている、確か千葉か群馬にある「モダンタイムス」という店舗でザズーとともにキンキーの服は時々、入荷販売されているのを見る。

「Orglory」(オアグローリー)は通称「オアグロ」。ここのスーツは、かなり良い。セットアップのスーツもスクール・ジャケットも、セーターからマフラーの小物類に至るまで非常に洗練されて上質な感じがする。結婚式など正装にオアグロのスーツを着て行きたい。スーツの生地も縫合もパターンのシルエットも丁寧で上品だし、そんなに極端に細くない。ただスーツ上下で、お値段は多少張る。だが「オアグロの服にハズレなし!」。オアグローリーは専門店が各地にいくつかあって買いやすい。私は、昔はオアグロの京都店によく行ってたなぁ。

「Ready・Steady・Go」(レディー・ステディー・ゴー)。ここのモッズスーツは個人的に非常に好き。日本のブランドなのだけど、スーツ見ると「made・in・England」の布タグがだいたい裏地にある。多分企画デザインは国内で、海外の工場に発注をかけて作っているのだと思う。そのため肩のラインなど非常にきれいで生地も良い。ただレディー・ステディー・ゴーはサイズがデカい。セットアップのスーツでも、その他ジャケットでもアウター類は特に。私は日本製の服はMサイズを普段は着用しているが、そんな私でも最小サイズSのスーツを着て「肩幅ちょっと大きいかな」と思うくらい。それでもレディー・ステディー・ゴーのスーツやジャケット類は魅力的だ。

「Ulter・Master」(ウルトラ・マスター)は以前、東京にあった懐かしのモッズ・ブランドで、突然の閉店でなくなってしまって非常に残念だ。ここのモッズスーツは、かなりこだわりある作りで、チェンジポケットやくるみボタンやら(当時はイージーオーダーも出来た)、細部まで非常に凝(こ)っていて好きだった。ウルトラ・マスターは服全体が最強の超タイトな細身なので、Mサイズは普通に着れない…細すぎて(笑)。だからスーツもパンツもシャツも注意して、いつもサイズLを選択購入していた。ウルトラ・マスターは、なくなってしまって非常に残念。本当に好きなブランドだった。

「これは意外に使える」と思ったのが、「Sexy・Dynamite・London」(セクシー・ダイナマイト・ロンドン)の上下のセットアップ・スーツ。一応、そこそこに細いモッズスーツで、私が買い求めたのはシングル3ボタンのチェンジ・ポケット仕様で、型パターンのシルエットもしっかりしているし、何よりも価格が安くて手頃だった。それでネクタイ着用で仕事に着て行っても全く違和感ないし重宝する。ホント価格が安い割には品質よくて使い勝手がいいっていう。見た目に高級感あるし。もう…ね、私みたいな年齢になると、セクダイのロンドン・パンクなTシャツなんて到底、着れないから(笑)。しかしセットアップなモッズスーツだと、まだまだセクダイ、これがイケる。

「Cool・Scat」(クール・スキャット)、このブランドはカジュアルなシャツからスーツからコートまで手広く出している。あくまでも個人的な感想なので勘弁してほしいのだが、全般に縫合とか型パターンとか服の作りが、そこまで良いとは思えない。遠目からの見た目のデザインは大変に良いのだけれど。それで店頭でモッズスーツの実物を以前、手に取って見たことがある。普通な感じ…かな。すみません、個人的感想なのでご参考までに。ただクール・スキャットは、前にオダギリジョー主演のテレビドラマ「時効警察」に衣装提供していて、オダギリさんが劇中で着用の黒のキルティング・ジャケットが大人気になったことがあった。あのキルティング・ジャケットに関しては「さすがに名作」で私も欲しい。

「Sky・Jam」(スカイ・ジャム)、このブランドは今も存続してるかどうか分からないが、ここのスーツは好き。非常にセンスがよい、上手くまとまった品のあるモッズスーツだ。何着か持ってて、よく着ている。今でも日々のスーツ・ローテーションの柱の一角である。

(※以上は、あくまでも私の至極勝手な個人的スーツ着の感想であること、あらかじめご了承ください。ショップの方・各ブランド関係者の方々、ごめんなさい)