河合塾の河合出版から出ている西尾陽一郎「覚えやすい英単語」(1990年)は、多義語編と語源編と難関大単語編の三部構成からなる単語帳である。本書タイトルが「覚えやすい」となっているのは、例えば、ある単語の語源の基本の語義を最初に示し、そこから樹…
河合塾の河合出版から出ている大谷浩三「日本史論述テーマ24」(1991年)は、前回紹介した河合出版の大谷浩三・岡野尚起・田中君於「入試日本史・日本史精説」(1988年)の副読本の実戦問題集のような書籍だ。「日本史精説」にて著書みずから「(本参考書で…
昔はまだ東進ハイスクールはなくて、全国展開の三大予備校といえば、駿台予備学校と代々木ゼミナールと河合塾で、「生徒の駿台、講師の代ゼミ、机の河合」とか言われてた(笑)。駿台は受講生のレベルか高く、代ゼミは人気講師の看板が強いのがウリで、河合塾…
全国展開の大手予備校のうち、昔の代々木ゼミナールは講師の実力と個性が看板のウリで、人気講師の個人ブレーを前面に押し出す戦略で一世を風靡(ふうび)していた。「土屋(博映)の古文」とか「西谷(昇二)の英語」とか「出口(汪)の現代文」など。他方…
語学春秋社から出ている「日本史講義の実況中継」は、昔は代々木ゼミナールらに出講していた菅野祐孝による「講義」であったが、いつの間にか菅野のものは絶版となり、後に河合塾の石川晶康の「日本史講義の実況中継」に変わっていた。 石川晶康は(確か)國…
語学春秋社から出ている菅野祐孝の「日本史講義の実況中継」は、原始・古代から近現代までの「通史」が上中下巻で三冊あり、その他にも「文化史」と「テーマ史」の巻があった。今回の「大学受験参考書を読む」で取り上げるのは、菅野祐孝「日本史講義の実況…
船口明は昔は主に関西圏に出講していて、後に東京に進出し河合塾、代々木ゼミナールら大手予備校への移籍をなした人気の現代文講師である。特にセンター現代文の対策指導には昔から定評がある方である。 船口明「船口の現代文〈読〉と〈解〉のストラテジー」…
代々木ゼミナールの現代文講師、青木邦容「選べる・書ける・真現代文・解答作成法大全」(1999年)は良い参考書というか、大学受験現代文の非常に良い問題集である。 まず本書は大学入試の過去問全7問を掲載で、冒頭のプレ講義を含め全六講からなるが、演習…
駿台予備学校の霜栄「現代文読解力の開発講座」(2011年)以来の約10年ぶりとなる、霜師による「開発講座シリーズ」の第二弾「現代文解答力の開発講座」(2023年)である。私は昔から前著の「現代文読解力の開発講座」を愛読して大変な良書と感心していたけ…
「価値判断は相対的」である。私達が物事に対し、ある一定の価値判断を下す時、常にそのものだけを見つめて唯一の絶対的判断を下している訳では決してなくて、意識的であれ無意識的であれ、実は他の同種なものと比較考量し、その結果「これは良い」とか「こ…
太田あや「東大合格生のノートはどうして美しいのか?」(2009年)は、近年人気で売れに売れたという「東大合格生のノートはかならず美しい」(2008年)を始めとするノート術の好評シリーズの内の一冊である。本書の帯には「シリーズ累計50万部の大ベストセ…
私は学生時代からそれとなく気付いていたが、日々やる高校の授業での教科書レベルの数学と、校外模試や入学試験で実際に出題される大学受験レベルの数学とでは明らかに異なる。教科書での練習問題や中間・期末の学内の定期考査で高得点が取れて内申点もそこ…
鈴木誠治「物理が初歩からしっかり身につく・力学・熱力学編」(2014年)を先日、たまたま入手して読んだ。高校物理の参考書で「入門」とか「世界一わかりやすい」とか「はじめからていねいに」など、苦手な受験生や初学の高校生に向けた物理の参考書は数多…
大学受験を終えた後にも「大学受験参考書を読む」などをやって大学受験の参考書を遊びで読んだりしていると、私が高校生で大学受験生であった1980年代と比べて現在は相当に良質な質の高い参考書が多く出ていることに驚かされ、感心させられる。これには大学…
私が高校生だった1980年代に当時、駿台予備学校の数学科に在籍していた秋山仁の数学の大学受験参考書が流行ったことがあった。その時の秋山仁の数学参考書といえば、例えば駿台文庫「発見的教授法による数学シリーズ」全7巻(1989─95年。森北出版から2014年…
最近どうやら絶版の大学受験参考書が人気であるらしい。昔に定価で書店に並んでいた大学受験参考書が現在では絶版品切れの入手困難なために一時的に人気沸騰し、かなりの高額で取り引きされているというのだ。例えば、前に有坂誠人「例の方法」(1987年)と…
横田伸敬「横田の交響曲(シンフォニー)日本史」(1989年)は、大和書房の「受験面白参考書」(略して「オモ参」というらしい)の大学受験参考書シリーズの中の一冊である。何よりもタイトルの「交響曲(シンフォニー)日本史」にて、「交響曲」の「シンフ…
宮尾瑛祥(みやお・えいしょう)「宮尾のアッと驚く英語長文読解ルール」(1988年)は、パラグラフリーディングないしはディスコースマーカーを指標とする英語長文の読み方を教授する大学受験参考書だ。ここでいう「パラグラフリーディング」とは、各段落ご…
近年では東進ハイスクールに出講し、「東大英語」など難関大学対策の上級者レベルの英語を主に担当している宮崎尊について、この方は私が高校生だった1980年代から有名予備校講師としてご活躍で、氏のことは昔から知っていた。当時は「スイスイ頭に入る英単…
「英語長文講義の実況中継」(1990年)らの著作がある元代々木ゼミナールの英語講師である本正弘その人について、私は実際に氏の講義を受けたり、お会いしたことはないが、英語の大学受験参考書を介して氏のことはそれとなく知ってはいた。ここで詳しくは述…
不思議なことに学校や職場でこういう人はだいたい一人か二人はいるものだが、なぜか自分のクラスや部署とは異なる生徒や同僚とも、いつの間にか顔見知りで親しくなっていて、登校時や出勤時に何気に遠くから観察していると、正門をくぐって玄関入口から廊下…
1980年代に高校生で90年代に大学進学した私らの世代、つまりは1970年代生まれは、いわゆる「団塊ジュニア」の第二次ベビーブーム世代にあたり、そのため大学進学を希望する高校生も多くいて大学受験指導の予備校業界が最盛期の絶好調で、世相も昭和から平成…
私はたまに読んでいるのだが、「絶版」の大学受験参考書を収集して「博物館」形式で紹介するブログがある(「浪人大学付属参考書博物館」)。そのブログ主の「館長」と称する方は、絶版の大学受験参考書のことはもちろん、予備校業界や実際の入試過去問につ…
昔、代々木ゼミナールに出講していた日本史講師の前田秀幸の大学受験参考書はどれもよい。この人が執筆の日本史参考書にはハズレがない。だいたい前田秀幸の日本史参考書は何を読んでも面白い。例えば「前田の図解日本史」(1993年)でも「早稲田への日本史…
かつて代々木ライブラリーから出てた三浦五郎「三浦の日本史頻出問題150選」(1988年)は、非常に懐かしい大学受験参考書だ。私は高校生の時に購入し問題を解いていた。その後、ずっと自室の書棚にあった。 本参考書を購入した1980年代当時、高校生だった私…
前から大学受験英語にて横山雅彦が指導する「ロジカル・リーディング」というのが気にはなっていたが、横山雅彦の参考書「横山ロジカル・リーディング講義の実況中継」(2000年)は絶版品切で古書価格が異常に高騰しており、私は手が出なかった。ところが近…
西きょうじ「ポレポレ英文読解プロセス50」(1993年)は、初版から度重なる増刷を重ね、なかなか人気な大学受験英語の参考書である。私は大学受験時に本書を使って勉強をしたことがなかったが、大学進学後に周りの人達があまりにも事ある毎に「西きょうじの…
私の高校では物理の教科に関して、明らかに物理が得意で物理ができる人と、あまり物理が得意ではなく、どちらかと言えば物理が苦手で物理に手を焼いている人との両極に分かれていた。前者の明らかに物理が得意で物理ができる人は、駿台文庫の坂間勇「大学入…
渡辺久夫「親切な物理」上下巻(2003年)は、1959年の初版にて後に増刷と改訂を順調に重ねていたが、一時的に絶版・品切となり、だがあまりにも良著で再販復刊を望む声が多くあったため、近年めでたく復刻・復刊を果たした物理の大学受験参考書である。 私は…
大学受験をとうに過ぎて学校を卒業してからも遊びで「大学受験参考書を読む」などやって各種の参考書を読んでいると、「これは高校生や大学受験生の人生を確実に変える良書だ」と思える書籍に時に出会うことがある。 駿台文庫の駿台良「世界史総整理」全3巻…